徳島は宣言する。
「おもてなし」のルーツがここにはあることを。

最近、「おもてなし」という言葉をよく耳にするようになった。
それって、ホテルや料亭の接客のことだろうか。
お金を払って受ける高級なサービスのことだろうか。
たぶん本当のおもてなしは、そんなものではないのだ。

対価を支払う、パッケージ化されたおもてなしとは
対極に位置するものが、徳島にはある。(*1)

それは、古来より続いてきたお遍路文化だ。

お遍路は、歩く人だけで成り立つものではない。
道々でそれを助ける人があって、はじめて可能になる。

だから徳島の人々は、いまも白装束のお遍路さんを見れば
家や接待所にこころよく招き入れてお茶や食事をすすめ(*2)
果物やお菓子、ときにはお心づけまでも手渡す。

見ず知らずの人から金品をもらうなんて
東京からやってきた人は戸惑うかもしれない。
だけど徳島ではあたり前の光景なのだ。
自然体で、自分の持てるものを人に与える。(*3)
もちろん見返りは求めない。

はじめて訪れた家で、ご馳走に呼ばれることがある。
朝起きると玄関先に、できたてのぼた餅が置かれている。
最初は驚くけれど、だんだん心地よくなるあたたかさ。

こうやって声をかけ合い、わかち合う心は
日本人が21世紀を生きぬく知恵となるはずだ。

だから徳島は宣言する。
「おもてなし」のルーツがここにはあることを。

  • *1 歩き遍路参加者のうち「お接待」経験率92.9%(平成23年・愛媛大学調べ)
  • *2 徳島県内の遍路小屋(お遍路さんの休憩所)の数・38ヵ所(平成26年・徳島県調べ)
  • *3 県民のおもてなし精神が発揮される例の一つに、毎年開催されている「とくしまマラソン」がある。沿道からのお接待の数々が魅力的であり、制限時間も7時間と比較的長いため、フルマラソンにもかかわらず完走率は高く、初心者からの人気も高い。平成28年の完走率は90.6%。

お遍路さんをもてなし、休息してもらうための場所「遍路小屋」は、地元の人がボランティアで運営している、おもてなしの心が形になって現れた無料の休憩所。お茶やお菓子でおもてなしをしたり、身体をいたわる薬や湿布などでおもてなしをしたり、地元の人とお遍路さんをつなぐ憩いの場所です。

徳島県に根付くお遍路文化のおかげで、徳島県の人々は誰もがおもてなしの心を持っています。
他所から来た人に何かをあげたり、手助けしたり。そういう習性というか、そういう性分なんです。どうか驚かずに、もてなされてください。

街頭の応援の人々や、給水所のおもてなしが満載で、走り終わったら2kg”増える”と噂されるとくしまマラソン。
スポンサー企業からのドリンクやフードはもちろん、半田そうめん、そば米雑炊などの給食、完走祈願ステッカー、マッサージサービスなど、 至れり尽くせりのマラソン大会はランナーたちに大人気なんです。